スターダストプロモーション芸能3部が新たに世に送り出すアイドルグループ「3B junior」のクリスマス公演『「真冬の大決闘」〜クリスマスなんか大っキライ！！〜』@池袋シアターグリーンが12月18日千秋楽を迎えた。 ■1週間公演、ついに千秋楽！ お客さんからの投票がユニットの命運を握る！完全ガチのコンテストライブ『「真冬の大決闘」〜クリスマスなんか大っキライ！！〜』。12日から7日間、3B juniorが「3B junior学園・アイドル部」として、栄光の優勝ステージ目指してユニットごとに熱いパフォーマンスを繰り広げてきた。ロッカジャポニカの優勝で幕を開け、その後はマジェスティックセブン、はちみつロケット、リーフシトロン、奥澤村、そして17日(土)の一部で再びロッカジャポニカ、二部でマジェスティックセブン……この戦い、最終日を制するのは一体どのユニットか。日ごとにメンバーの、そしてお客さんのテンションもうなぎのぼり。数少ない当日券を求める人たちの行列も日を追うごとに長くなっていた。

オープニングは『Stardust Fantasia』、『ひとつよろしくどうぞ』。誰にも負けないアイドルを目指すアイドル部たちの戦いはこうして始まった。謎の黒幕“３B学園・学園長 スリビ・ジュニ夫”が登場。「警備の方が全然笑ってないぞ！」「警備の方にもかわいいフレーズを届けるんだ！」学園長からの無茶振りも明らかに激しくなっているが、それにひるむことない3B juniorの対応力にも目を見張る。この1週間の公演は彼女たちをより成長させているのだろう。
一部、最初のステージに立ったのはこれまで通算二回の優勝を勝ち取ったマジェスティックセブン。『Space Ship Go!』『猛烈宇宙交響曲』の二曲を熱唱。一組目のハンデをものともしない力強いステージングが光る。仲良く二人でベンチを運んできたのはリーフシトロン。金曜、土曜とお休みしていた葉月智子も完全復活。『たんぽぽ』『青春ペダル』で会場をほんわかした空気で包む。
金曜日、念願の優勝を勝ち取った奥澤村は『スパイス少女』と『HAPPY★LOOPER』で勝負をかける。タオルの波の一体感は奥澤村にしか出せない武器。はちみつロケットは『最強パレパレード』『恋メラ』で二度目の優勝を狙う。個性派らしい楽しさはそのままに、余裕とまとまりも感じられるパフォーマンス。3B junior唯一のメジャーデビューユニットとして、毎回負けられない戦いを強いられるロッカジャポニカは『腹！筋！録！』『教歌SHOCK!』を披露。これらのセトリは連日各ユニットが自分たちで決めたもの。
途中のいがみ合いパートも、ただライバルユニットを揶揄するだけでなく、自虐を入れ込んだり、メンバーだから知るマル秘ネタをぶっこんだり、初日に比べると格段に幅が出ている。ストーリーテラーである最年少、中原咲耶の存在感も目が離せない。。
投票前の所信表明もさらにバラエティ豊かに。ただ「お願い」を連呼していた、初日のグダグダ感はもはや皆無。30秒という限られた時間をめいっぱい使う。そして、千秋楽一部、優勝を勝ち取ったのは……ロッカジャポニカ！！　メジャー組の意地を見せたロッカジャポニカが一部を制し、『ボクタチ、ワタシイロ』『WEE FIGHT OH!!!!!』の二曲を披露した。
いがみ合いから和解へ……再び一つになったアイドル部にサンタさんからとびきりのサプライズプレゼントが。2017年4月1日、“EX THEATER ROPPONGI”でのライブが決定！　かつてももクロもライブを行ったEX THEATER ROPPONGI は1750人収容という3B史上最大級のオオバコ。最高の来年への希望を胸に、第一部は笑顔で終了した。

泣いても笑っても最後になる千秋楽二部。コンテスト最初に登場するのは一部で堂々の優勝をかっさらったロッカジャポニカ。一部で優勝曲として披露した『WEE FIGHT OH!!!!!』と最新シングル『だけどユメみる』を熱唱。一方、優勝回数でロジャポに並ぶためにも負けられないマジェスティックセブンは『友情のPlanet』と『未知とのSo Good!!』を。リーフシトロンはあくまでマイペースに『ゆめかなエール』『青春ペダル』で二度目の優勝を目指す。プロデューサー、ももクロ高城れにに優勝を報告したい奥澤村は『STAND UP !!!』『労働讃歌』とノリノリの二曲で勝負。トリを飾るはちみつロケットは『MOON PRIDE』『お願いメテロティス』に優勝の望みを託した。
そしていよいよ「真冬の大決闘〜クリスマスなんて大っキライ！！」最後の勝者が決まる。この日お客さんの心を最も動かしたユニット名が書かれた巻物を中原咲耶が運ぶ。そこに書かれていたのは……「はちみつロケット」の文字。歓喜の涙と悔し涙が交差するステージで『恋メラ』『最強パレパレード』を歌い踊るはちみつロケット。
無事1週間の公演が終了する……ホッとした気持ちと少しの寂しさを誰もが噛みしめていた。ラスト曲『ベリメリ・クリスマス』終わりに、思いもよらない衝撃の瞬間はやってきた。会場に響く「ピンポンパンポーン」のSE。「さて、3B junior学園アイドル部のみなさん。突然ですが、ここでお知らせがあります」。ざわつく部員たち。そして「これまで当学園では採用しておりませんでした「無期限武者修行制度」をこのたび取り入れることになりました」。この聞き慣れない「無期限武者修行」というシステム、「「可愛い子には旅をさせよ」という学園の理念のもと、3B juniorという枠組みから外れて広く活躍してほしい、逆の言い方をすれば「ビッグになるまでここには戻ってくるな」というユニットを一組選出する」というもの。事態が飲み込めない3Bメンバー、そしてお客さん。選ばれたユニットは「明日より一切の3Bの活動はなくなり」「グループとしての活動に専念する」ことが決まっている。そして、ついにそのユニットが発表された。
それはロッカジャポニカだった。スクリーンには「決定！　無期限武者修行　ロッカジャポニカ」。
内山あみ「いきなりみなさんに……メンバーにも誰にも言っていなくて、クリスマスライブの1週間のラストにこんな涙を出させてしまって申し訳ないんですけど、この武者修行は5人で決めたことでもあって、もちろんさみしいけど、私は前向きにとらえてて。このクリスマスライブで言ってる「誰かが笑えばみんなが笑う」とか、本当に26人は一心同体で同じ夢に向かって突っ走ってきて、ほぼ3年くらい。ロッカジャポニカは武者修行で大きくなって、すごいすごい大きくなって、また個々のグループも大きくなって、そうして集まった26人って最高だと思うんですよ。まずはロッカジャポニカが修行に出て大きくなりたいと思います」。
「このまま終わっちゃうのは寂しいから」奥澤村の奥澤レイナが涙声で提案する。「最後に『勇気のシルエット』歌おう。最後は笑って終わりましょう！ファンの皆さんも笑顔で！」。そして内山あみが曲振りする。「聞いてください、『勇気のシルエット』！！」
3B juniorとして、各ユニットメンバーとして、それぞれが何をすべきなのか、大きな宿題が課せられた。しかし、喜びも悲しみも、成功も失敗も、全てを背負うことで3B juniorは大きくなれる。


取材・文 / 西澤千央 撮影 / 笹森健一